【戦力分析】WBC2013 チャイニーズ・タイペイ
予選決勝ではニュージーランドに大勝し、危なげなく予選突破したチャイニーズタイペイ。まずは注目選手から見て行きましょう。
投手陣に目を向けると、まず注目は台湾の英雄、王建民(ワンチェンミン)。ニューヨークヤンキースに所属した当時、2006年、2007年と連続でシーズン19勝をマークする等、文字通りエースであり、台湾の英雄と言える活躍を見せた。近年は故障続きで、今シーズンもまだメジャーでの所属先が決まっておらず、ピークは過ぎたとの判断もできるかもしれない。
王建民は「ボウリングの球のように重い」と評される“高速シンカー”が武器であり、この球種は好調時に最速95マイル(約157km/h)を計測した。かつての実力が復活していれば、かなりやっかいな存在であるといえよう。
他には、福岡ソフトバンクホークスに所属している陽耀勳(ヤンヤオシュン)が投手では注目選手。
陽耀勳は2012年シーズンにブレイク。終盤にはソフトバンクの先発ローテの一角を担い、9試合で先発7回。結果は2勝3敗と今ひとつ勝ち星は伸びなかったものの、150km/h台のストレートを武器に、防御率1.48と、好成績を残した。ハマれば手を付けられない本格派投手。
今オフにはメジャー移籍の可能性が高く、今、台湾チームでは最も勢いのあるピッチャーといえる。
打者に目を向けると、やはり、本大会から出場の日本ハムファイターズ所属、陽岱鋼(ヤンダイカン)。走攻守三拍子揃った、日ハム不動のセンター。昨季はオールスター第三戦で3安打4打点の大活躍でMVP に輝いたのは記憶に新しいところ。
ただ、全体的に台湾チームは守備が粗いことが特徴的。
また、予選決勝相手のニュージーランドも、ストレートをボンボン投げ込んでくる粗めの野球スタイルのため、大勝したとはいえ不安が残る。
ハイレベルの緻密な戦術を繰り広げる相手や、変則的選手が多いチームとの対戦、また、1点を争うゲームになった場合にもろさが出ないかどうか。そのあたりが注目である。