【戦力分析 オーストラリア】
2004年のアテネオリンピックでは日本を2度破り、銀メダルを獲得したことは今でも記憶に新しいところだ。
今回のチーム構成は、投手では元マリナーズの先発ローテの一角を担ったライアン・ローランドスミス、元阪神のクリス・オクスプリングら国際経験豊富なメンバーが中心。
阪神ファンの間では通称“オク様”と呼ばれるオクスプリング選手。阪神時代はパッとした活躍は見られなかったが、日本との壮行試合では好投。ローランドスミスとともにベテラン勢が屋台骨を支える。
また、オーストラリア代表監督、ジョン・ディーブル氏のスカウティング能力はメジャーでもトップクラスと定評があり、同チームの強みともいえる。
加えて、オーストラリアリーグはシーズンを終了したばかりであり、“開幕前の調子を上げて行くコンディション”とは異なる。
シーズンの疲労を取りながら本番に調整して行けば、コンディション面でも有利である。
そのため、元メジャーリーガー8人を擁するオーストラリア代表チームは、ハマれば「アテネの奇跡」を再現出来るかもしれない。
ただ、野球そのものが大味な感は否めない。
先日行われた日本対オーストラリアの壮行試合で無謀なタッチアップが見られるなど、ヒッティング技術や足を絡めた得点パターンを確立することは難しそうである。
WBCのような短期決戦では「1点」を守りきる野球が出来ないと勝ち進む事は難しい。そのため、ラウンドが進めば進むほど、この大味なチームカラーが足を引っ張る可能性が出てくるといえる。